半年の締めくくり

6月30日、ちょうど一年の折り返しですね。

この時期ならではの行事をお伝えしますね。


🌿 夏越の祓とは何か?

「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、毎年6月30日に行われる全国の神社で行われる神事です。

これは半年間(1月~6月)の間に溜まった罪や穢れ、災厄を祓い清め、暑さ本番を迎える前に心身をリセットするための「大祓(おおはらえ)」です。


🔄 茅の輪くぐりの由来と作法

神社の鳥居や境内に設けられる直径数メートルの「茅の輪(ちのわ)」は、素戔嗚尊と蘇民将来(そみんしょうらい)の伝承に由来します。


旅の途中で宿を求めた素戔嗚尊(すさのおのみこと)を、貧しいながらも快く迎え入れた蘇民将来は、その恩返しとして「茅の輪」を授かり、疫病から守られたとされています。この故事にちなみ、茅の輪をくぐることで災厄を避けると信じられています。

標準的なくぐり方は以下のとおりです :

  1. 正面で一礼し、左足から茅の輪をまたいで左回り。
  2. 再度一礼、右足から右回り。
  3. 最後に一礼、左足から左回りし、神前へ進み二拝二拍手一拝。
  4. くぐりながら「祓へ給ひ 清め給へ 守り給ひ 幸え給へ」の祝詞を心で唱えます。

この八の字を描く3周が、半年の穢れを祓う象徴的な動作です。

私も偶然、散歩で通った近所の神社でもやっている事をしりました。


🪶 他の儀式:人形流し・形代

夏越の祓では「人形(ひとがた)」や「形代(かたしろ)」と呼ばれる紙に名前や年齢を書き、身体を撫でて息を吹きかけ、自身の穢れを移します。その後、水辺に流したり焚き上げたりすることで、心身を清めるとされます。

家にいながら静かにこの時期を感じるなら、
半紙で形代をつくり、
心をこめて感謝とともに
これまでの半年を見つめ直すのもよいでしょう。


🍰 行事食と心がけ

  • 水無月:京都発祥の三角形の和菓子。氷を模した見た目に小豆を散らし、暑さ払いと無病息災を願って食します。
  • 夏越ごはん:「茅の輪」をイメージした丸い夏野菜や雑穀を使った丼物が地域によって親しまれています。

💡 心構えと過ごし方

  1. 感謝とリセットの意識:半年を振り返り、無事に過ごせたことへの感謝とこれから半年を清らかな心で迎える姿勢を持ちましょう。
  2. 身体を清める習慣:当日は神社で茅の輪をくぐった後に、家でも浴びるようなお風呂や軽めの浄化リチュアルを。
  3. 食や行動の整え:水無月などの季節食を口にし、軽く体を動かすなど、夏に向かって心身を整える日としましょう。
  4. 家族や友人と一緒に祝う:茅の輪くぐりや人形流しは家族や友人と一緒に行えば、絆も深まり、思い出深いひとときになります。

🗓 過ごし方のポイント

  • 6月中旬以降:近くの神社で「茅の輪設置」案内が出始める頃にチェック。
  • 30日当日:午前から夕方にかけて神社で茅の輪くぐりが一斉実施。混雑する前の午前中の参拝がゆったりと楽しめます。
  • その後の夜:季節の涼味(水無月、さらしあん)、軽めの入浴で心身を整えて、後半に向けてよいスタートを切りましょう。

半年の汚れと災厄を祓い、清らかな心で新たな季節を迎える「夏越の祓」は、現代でも心身のリセットにぴったりの行事です。身近な神社で季節の節目を感じつつ、伝統と現代的な暮らしが交わる豊かな一日を過ごしてみませんか。